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1.埋込み型除細動器とは・・・
1-9.手術後はどんな事に注意すればいいの?
まず何よりも大事なことは、定期的に医師のチェックを受ける事です。
お薬を飲まなければいけない方は当然病院に通う必要がありますが、何も薬を飲まない方でも3から6ヶ月に1度は埋め込まれた除細動器と電極の状態をチェックしてもらいに行く必要があります。除細動器は、不整脈があれば内部でその記録を残していますので、除細動器が止めても自然に止まっても、その状況を後で呼び出して確認する事ができます。少なくとも埋めこみ後しばらくは、除細動器による不整脈停止の自覚(痛みなど)があった時点で受診し、正常に動作しているかどうか、確認してもらうのが良いでしょう。
定期チェックが必要な理由はもう一つあります。電池の消耗を確認するためです。不整脈停止のための通電を繰り返すほど、電池は消耗します。なにも起こらなくても、心電図を監視したり、コンデンサーを維持するために電気がいります。そのため、早ければ3-4年、遅くとも7−8年で電池を交換する必要が生じます。これも手術で交換しますが、初回よりは簡単にすみます。
この器械を埋め込まれた方には、退院時に主治医から「ICD手帳」が渡されます。御自身の住所、緊急連絡先、除細動器の設定や、治療経過が記載されていますので、病院を受診する際にはいつも持参してください。また、病院の検査機器によっては除細動器埋めこみ患者さんに使えないものがありますので、他の病院や診療科で検査するときも持って行き、担当医に影響がないかどうか、尋ねてください。
また、器械からデータを呼び出したりプログラムの変更を行うコンピュータ(プログラマー)と除細動器の間の交信は電磁波によりなされ、除細動器が監視している心電図も電磁波の影響を受けますので、外部で強い電磁波の発生する場所は避ける必要があります。外部の電磁波を不整脈の心電図だと誤って認識してしまうなど、除細動器が電磁波の影響を受けて誤作動する可能性があるからです。

除細動器が誤作動する危険のあるものには、IH調理器や携帯電話、高出力のトランシーバー、電気のこぎりなどがあり、これらの電気器具と除細動器本体との距離を十分保つ必要があります。たとえば携帯電話では、22cm以上離すよう推奨されています。また、低周波治療器(身体に電気を流すあんま器)は原則として使えませんし、スーパーなどの出口にある盗難防止用のゲートにはもたれかからないでください。空港での金属探知機には通常引っかかりますので、「ICD手帳」を見せて手動のチェックを受けてください。このように、影響の起こりうる場合はいろいろありますが、過度におびえる必要はなく、器械が壊れてしまう事はありませんし、一歩遠ざかれば即座に影響が消えてしまうのが普通です。
「埋込み型除細動器」は、基本的に病気を治すものでなく、致死的な不整脈がおこった時点ですばやく止める器械であると述べました。「致死的な不整脈」がおこると、血液を全身に送り出せず、まず脳が一番に影響を受けるので、意識が遠のき、その場で倒れます。そのまま何もしないと命がなくなりますが、ここで器械が働いて正常な脈にもどり、息を吹き返すわけです。埋めこみ後はこのような状況が起こりうるという事を考えた行動が必要になります。
単独での高所作業や車の運転は、数秒の意識消失が大事故につながるので、基本的に避ける必要があります。またスポーツは不整脈よりも心機能によって規定されるので一概に言えませんが、ダイビングなども基本的には難しいと思います。ただ、これらは器械の埋め込みの有無に関わらず、その病気の性質によるものです。したがって個々の患者さんによっては、可能な場合もあるので、主治医と良く相談する必要があります。
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