研究会の記録
第16回研究会
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〈2005年1月15日開催〉
<演題2>
三種類の非通常型心房粗動を認めたARVCの一例

〈京都府立医科大学循環器内科〉
 大川善文、白石裕一、白山武司、坂谷知彦、万井弘基、山本 卓


症例 51歳男性、 主訴 動悸、 既往歴 18歳時硬膜下血腫
現病歴 30歳時の検診で心電図異常あり、国立大阪病院でカテーテル検査を受けたが、詳細は不明。34歳時にゴルフ中の眼前暗黒感生じ、10分程度の意識消失発作あり。心エコー上右室の著明な拡大、壁運動低下を認め、ARVCと診断、β遮断薬を中心とした加療により、以後症状無く経過していた。平成17年6月(51歳時)末から動悸、労作時息切れを認め、ホルター心電図上NSVT、心房粗動4:1伝導(FF間隔240ms)を認めたため、7月精査目的に入院となった。
理学的所見 身長178cm 体重70kg 血圧125/95mmHg 脈拍80毎分整。
胸部聴診上 肺野に異常はなく、S1S2減弱、S3聴取。心雑音は無し。
腹部 著変なし。四肢に浮腫無し。
検査所見 胸部レントゲン CTR51% 左3,4弓突出 肺鬱血なし。
心電図 4:1伝導の心房粗動、心拍60毎分 flat T in V2-6
心エコー 左室の壁運動低下、特に下後壁著明な低下、右心系の著明な拡大、中隔の奇異性運動 中等度TR 軽度MR
経食道
エコー
血栓明らかなものは無し。
経過 8月洞調律下にEPSを行った。心房バースト(PCL260bpm)刺激で臨床的に捉えられているAFL(図1)(CL240ms)が誘発された。CARTOguideにマッピングを行い、右房前壁にblock lineを作成していると、自然停止し、以後再度バーストで誘発を試みたところ、II III aVFで鋸歯状波を示すAFL(図2)(CL240ms)が誘発された、再度CARTOguideにマッピングを行ったところ、三尖弁を反時計方向に回転する通常型心房粗動と考えられた。TVからIVCに線状焼灼を行ったところ、AFLは停止し、以後誘発もされなくなったため、終了とした。
しかし10月再度動悸を訴え救急受診、AFL(図2)とかなり形状の近い粗動(図2)(CL260ms)を認めた。再度EPS行い、バースト刺激で誘発を試みたところ、AFL(図3)(CL200ms)を認めた。明瞭な鋸歯状波は認めず、CARTOguideにマッピングを行ったところ、三尖弁を時計方向に回転する非通常型心房粗動と診断、TVからIVC、特にIVC寄りに追加の線状焼灼を行ったところ、粗動は停止した。以後、プログラム刺激で頻拍の誘発は認めなくなった。
考察 AFL(図2)(図3)は三尖弁輪を回旋する心房粗動と考えられたが、(図1)は形状も異なった粗動であり、ARVCの拡大した右心房と不均一な心房内の変性により、いくつかの旋回回路が形成されたが、峡部を通過する経路は共通と考えられ、峡部の線状焼灼で無事頻拍を根治できたと考えられた。
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