| 症例 |
51歳男性、 主訴 動悸、 既往歴 18歳時硬膜下血腫 |
| 現病歴 |
30歳時の検診で心電図異常あり、国立大阪病院でカテーテル検査を受けたが、詳細は不明。34歳時にゴルフ中の眼前暗黒感生じ、10分程度の意識消失発作あり。心エコー上右室の著明な拡大、壁運動低下を認め、ARVCと診断、β遮断薬を中心とした加療により、以後症状無く経過していた。平成17年6月(51歳時)末から動悸、労作時息切れを認め、ホルター心電図上NSVT、心房粗動4:1伝導(FF間隔240ms)を認めたため、7月精査目的に入院となった。
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| 理学的所見 |
身長178cm 体重70kg 血圧125/95mmHg 脈拍80毎分整。 |
| 胸部聴診上 |
肺野に異常はなく、S1S2減弱、S3聴取。心雑音は無し。 |
| 腹部 |
著変なし。四肢に浮腫無し。 |
| 検査所見 |
胸部レントゲン CTR51% 左3,4弓突出 肺鬱血なし。 |
| 心電図 |
4:1伝導の心房粗動、心拍60毎分 flat T in V2-6 |
| 心エコー |
左室の壁運動低下、特に下後壁著明な低下、右心系の著明な拡大、中隔の奇異性運動 中等度TR 軽度MR |
経食道
エコー |
血栓明らかなものは無し。 |
| 経過 |
8月洞調律下にEPSを行った。心房バースト(PCL260bpm)刺激で臨床的に捉えられているAFL(図1)(CL240ms)が誘発された。CARTOguideにマッピングを行い、右房前壁にblock lineを作成していると、自然停止し、以後再度バーストで誘発を試みたところ、II III aVFで鋸歯状波を示すAFL(図2)(CL240ms)が誘発された、再度CARTOguideにマッピングを行ったところ、三尖弁を反時計方向に回転する通常型心房粗動と考えられた。TVからIVCに線状焼灼を行ったところ、AFLは停止し、以後誘発もされなくなったため、終了とした。
しかし10月再度動悸を訴え救急受診、AFL(図2)とかなり形状の近い粗動(図2)(CL260ms)を認めた。再度EPS行い、バースト刺激で誘発を試みたところ、AFL(図3)(CL200ms)を認めた。明瞭な鋸歯状波は認めず、CARTOguideにマッピングを行ったところ、三尖弁を時計方向に回転する非通常型心房粗動と診断、TVからIVC、特にIVC寄りに追加の線状焼灼を行ったところ、粗動は停止した。以後、プログラム刺激で頻拍の誘発は認めなくなった。 |
| 考察 |
AFL(図2)(図3)は三尖弁輪を回旋する心房粗動と考えられたが、(図1)は形状も異なった粗動であり、ARVCの拡大した右心房と不均一な心房内の変性により、いくつかの旋回回路が形成されたが、峡部を通過する経路は共通と考えられ、峡部の線状焼灼で無事頻拍を根治できたと考えられた。 |