研究会の記録
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〈2005年1月15日開催〉
<演題5>
急性心筋梗塞のPCI後急性期に出現したVF electrical stormに対し、
カテーテルアブレーションによるbail-outに成功した1例

〈京都桂病院心臓血管センター内科
 
溝渕正寛、円城寺由久、柴田兼作、舩津篤史、横内到、上林大輔、
 小林智子、中村茂


【背景】
基礎心疾患を有さない特発性心室細動(VF)においては、すでにHa_ssguerreらがPurkinje組織に対するアブレーションでVFが抑制可能であることを報告しているが、虚血性心疾患の急性期におけるVFに対するアブレーションの報告はほとんど認められない。

【症例】
58歳男性。2005年10月、他院にて急性前壁中隔心筋梗塞の診断で入院。CAGではLAD#6 100%, LCx#13 100%(CTO)であり、責任病変であるLAD#6にステント留置を施行。
その後リハビリテーション施行中であったが、1週間後よりPVC, NSVT、さらにsustained VTが出現。各種抗不整脈薬に対し抵抗性であり、incessant VT/VFの状態となり、頻回の電気的除細動を要した。血行動態維持が困難となり、当センターCCUに搬送の上、緊急入院となった。
入院時は洞調律(右脚ブロック)であったが、洞調律のQRS波形に類似した右脚ブロック+上方軸タイプのmonomorphic PVCが頻発。このPVCをトリガーとし容易にVF が出現した。IABPおよびPCPSにて血行動態の維持を図った上で、残存病変であるLCx#13に対し、PCI(ステント留置)を行い、完全血行再建を得た後、Nifekalant +Verapamilにより一定のVF抑制効果を得たが、完全な抑制には至らず、依然として頻回の電気的除細動を要したため、11月11日VFに対し、緊急アブレーションを施行した。
左室後下壁にてマッピングを行うと、洞調律時にはQRSに約40ms先行するprepotentialが認められ、この電位はPVC・VT出現時には更に先行した。この時点でincessant VFの状態であったため、早期性の高いprepotentialが得られる部位においてVF中に通電を行ったところ通電中にVFの停止が確認された。
以後VT/VFの出現は減少したが、3日目よりVFが再発するようになったため、再セッションを行った。前回アブレーション施行部位の周辺において洞調律時に約40ms、VFのtrigger PVC(右脚ブロック+上方軸)出現時には約80ms先行するprepotentialが記録された。この部位においてVF中に通電を行ったところ、通電中にVFは停止。更に左室中隔下壁から後下壁にかけ、ラインを作成するように通電を行い、最終的にVFの誘発は認められなくなった。
急性虚血性心疾患において、Purkinje network由来と考えられるectopic beatsが心室細動の発生と維持に関与し、さらにこれらをtargetとしたアブレーションでVF electrical stormの bail-outに成功した1例を報告する。
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