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<演題6>
Bachmann-bundle-pacingによる発作性心房細動抑制効果と
far-field-QRS-complex-sensing(FFRS)への対応について

〈洛和会音羽病院心臓病センター
 
赤城 格、富士榮博昭、皿澤克彦、稲井理仁、高橋伸基、北川元昭、浜中一朗、
 山崎武俊、田邊昌人、平岡勇二、上田欽造


【目的】
発作性心房細動予(Paf)防に心房Pacingが有効であると云われる反面、Pacemaker植え込みによるPafの合併率は25%から50%と思ったより多い。その対策の一つとしてBachmann-bundle-pacing法があるが、その有効性は未だ明かではない。
今回我々は、症候性・無症候性の両方のPafエピソードを記録できるVitatron社製Pacemaker本体の診断機能を用いてその有効性を検討した。さらに診断機能の精度を下げることが知られているfar-field-QRS-complex-sensing(FFRS)の解析と頻度およびその対策を検討した。

【対象】
対象は2004年度以降、Vitatron社製DDD-Pacemakerを植え込まれた10例(平均年齢71歳、男女比6:4)で、基礎疾患は洞不全症候群(SSS)9例、房室伝導障害1例である。なお、10例中内6例60%は事前にPafが確認されていた。

【方法】
心房leadはBipolar-atrial-screw-in-lead(Intermedics社製THINLINE)をBachmann-bundleへ留置した。Bachmann-bundle は造影で中隔を確認、透視上心房lead先端が後方を向いていること、あるいは体表心電図上20msec以上のP波短縮で確認した。心室leadは全例にbipolar-tined-type(Medtronic社製CAPSURE Z)を右室心尖部へ留置した。Pafは1分以上持続する心房イベントと定義し、Pacemaker植え込み6ヶ月後に本体の診断機能を用いてその発生頻度を検討した。また、血中BNP濃度および心エコーでの左房径(LAD)、Ejection fraction(EF)の変化を植え込み前と6ヶ月後で比較した。さらにVitatron社製Pacemakerを使用した6例では記録された全ての不整脈詳細発生記録レポート(DOR)及び選択イベント記録に対しVITATRON DISCOVER 3.0ソフトウェアーを用いてFFRSの有無を確認しプログラムパラメーターの最適化を行った。

【結果】
植え込み後2例にPafの発生を確認した。すなわち、Paf発生頻度はPacemakerにより6/10(60%)から2/10(20%)へ減少した。LADは37→36mm、EFは68→66%、BNPは128→150という変化であったが有意差はなかった。
また、前症例中FFRS は6例(60%)に認められた。さらに、FFRSは以下の2typeが確認された。すなわち、Type1(post-pacing FFRS)、Type2(post-sensing FFRS)である。いずれもパラメーターの最適化(Type1は心房感度を鈍くするか心房blankingを延長させる、Type2は心房感度を鈍くするか心室感度を鋭くする)で対応できた。

【結論】
Bachmann-bundle-pacing法にはPaf予防効果が期待できる。
しかし効果判定において偽陽性であるアーチファクトセンシングFFRSは60%に認められた。幸い、全例上記の方法によってFFRSの問題は解決できた。現在のPacemakerに搭載されているAf診断機能は心房性不整脈を長期に渡ってモニター、記録し遠隔期治療有効性を確かめるのに役立つ。しかしながらその診断機能にはAf波のアンダーセンシングによる偽陰性の存在が推測され、FFRSによる偽陽性が含まれていることが確認された。従って、Pacemaker本体の機能でAfの抑制効果を評価する場合、心房、心室感度及び心房ブランキング期間を最適化すべきであることが示唆された。
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