研究会の記録
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〈2005年1月15日開催〉
<演題9>
CARTOマップが有用であった徐脈頻脈症候群の臨床所見を呈する
肺静脈入口部起源の心房頻拍症の一症例

〈石切生喜病院 循環器科〉
 貝谷和昭、井上嘉一、上田浩靖、吉丸清道

症例は33歳の女性。生来健康であったが、数年前より動悸発作を自覚するようになる。動悸は最長で2〜3時間持続するもので次第に頻度が増加。また動悸だけでなく動悸の消失後はしばらく全身倦怠感を伴うようになった。平成17年8月30日動悸発作時に近医受診。その際約180bpmのnarrow QRS tachycardiaをドキュメントされ当院に紹介。
verapamil投与後の心電図でレートはコントロールされたものの2:1伝導に伝導性低下したのみで頻拍は持続。そのP波の極性より左房由来の心房頻拍症の疑いが持たれた。ホルター心電図でincessant formの非持続性の心房頻拍とその停止時に3秒以上(最大3.78s)の洞停止を繰り返し認められた。甲状腺機能に異常なく症状は徐脈頻脈症候群の診断と一致する内容でありEPS・RFCAの適応と考え入院となる。
心房のプログラム刺激では頻拍は誘発されず。イソプロテレノール負荷下の心房overdrive pacingにて非持続性で頻拍の周期長は一定しないものの頻拍が誘発された。
頻拍時十二誘導心電図のP波極性はII.III.aVf及びV1 でpositive。I.aVlで二相性ながらほぼflat。aVrはnegativeでありほぼ外来でドキュメントされた所見に一致。頻拍中のCS sequenceはproxmalが先行しており右房あるいは中隔部の頻拍と推測された。まず右房をCARTO map施行。右房mapでは中隔部が最早期であったが体表心電図のP波よりの先行度は乏しく頻拍の起源は左房側と判断。左房の中隔周囲を中心にmappig。これにてrt.upper PV前壁やや下方に最早期興奮部位を確認できた。P波よりの先行度は40ms以上でこの部位の異常自動能を機序とする頻拍症と考えた。この部位の通電にて持続性の心房頻拍は認めなくなったがこの周囲のカテ刺激をきっかけに非持続性の心房頻拍は残りこの頻拍に対するre-Mapにて頻拍の最早期興奮部位はrt.upper PVのupper floorの後壁側に変化していた。この部位の複数回の通電で頻拍は一時的に修飾されたが持続性・誘発性に有意な変化なく頻拍の起源はPV内でありそのexitが変化したものと考えPVのisolationに方針変更。
この時点で肺静脈隔離は未完成であったがやはりrt.PV upper floorの部位に伝導性が残存。この部位の単回の通電でisolationが成功し頻拍も消失。静脈隔離後の肺静脈内の頻拍は確認出来なかったがiso.投与下でも頻拍の誘発はなされずセッション終了。術後合併症なし。PV isolation行ったため抗凝固療法追加しフォロー中も頻拍の再発や徐脈の症状はなく経過良好である。
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