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<演題4>
両室ペーシングが有効であった正常QRS幅の心不全の1例
〈京都第二赤十字病院 循環器科〉
井上啓司、中西直彦、塩野泰紹、大槻悠美、鈴木健之、
西堀祥晴、松尾あきこ、田中哲也、藤田 博、井上直人、北村 誠
2004年4月両心室ペースメーカーCRT認可され、 2006年8月には両心室ペースメーカー機能付き埋込み型除細動器CRT-Dも使用可能となる。両心室ペースメーカーCRT の適応は、中等度・重症心不全でQRS幅130ms以上で左室駆出率30%以下で薬物治療抵抗性の症例となっているが、 QRS幅は必ずしも再同期療法の良い指標ではない事が指摘されている。
今回両室ペーシングが有効であった正常QRS幅の心不全の1例を経験したので報告する。
症例は76歳、男性で、主訴は呼吸困難・倦怠感・食欲低下。2002年12月26日心室頻拍で当院緊急入院。左心室瘤あり2003年1月10日心臓カテーテル検査施行され冠動脈造影では器質的狭窄なく以降carvedilol 5mg/dayとamiodaron 200mg/day内服。2005年4月6日心原性脳塞栓あり循環器科紹介。この頃から労作時息切れあり。心電図ではQRS幅正常(98msec)であったが、心エコーにてdyssynchrony認める。2005年4月21日心臓カテーテル検査・心臓電気生理学的検査。冠動脈造影で器質的狭窄(-), 冠攣縮誘発試験左冠動脈陰性・右冠動脈陽性。左室駆出率 32.9%、MR I。両室ペーシングにてdP/dt改善確認。退院後も労作時息切れ・下腿浮腫あり、倦怠感・食欲低下著明となる。BNP上昇傾向であり心不全増悪と判断、両室ペースメーカー移植目的で2006年6月21日入院。入院時は平地歩行も不可能の状態となっていた。
6月22日両室ペースメーカー移植図るも、当初予定していた冠静脈洞側枝はペーシング閾値高く留置断念やもえず前側壁枝に留置。右室リードも心尖部は閾値高くやもえず右室流出路に留置。解剖学的解離は不良なるも電気的解離152msecで、両室ペーシング開始。術後は、QRS幅の拡大を認める(98msec→118msec)が心エコーでのdyssynchrony軽減認める。胸部レントゲンで心胸郭比縮小(60%→55%)と胸水減少認め、BNPも著明に低下(1350pg/ml→473pg/ml)。食欲はほぼ正常まで回復し、リハビリテーションにより階段歩行まで可能となり退院となる。
当日の会場ではCRT-PやCRT-Dの適応決定の方法を含め、先生方の御意見を頂きたいと考える。 |
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