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IV
2回のセッションを要した、
narrow QRS, long RP’tachycardia の一症例
〈彦根市立病院 循環器科〉
二宮智紀、曹 謙次、益永信豊、宮澤 豪、山田美保、大橋直弘 、綿貫正人、日村好宏
<症例>44歳男性。半年前から数秒〜数分持続する動悸発作を頻回に自覚するようになり当科を受診。ホルター心電図および12誘導心電図にて症状に一致してnarrow QRS, long RP’ tachycardiaを認めた。知人の紹介をうけ、県外の病院にカテーテルアブレーション目的にて入院。EPSにて頻拍は誘発されなかったが、RV pacingでretrograde slow pathwayからのone echoを認めたことからfast-slow AVNRTと判断された。EnSiteを用いてretro-slowを介する右心房最早期興奮部位を同定しアブレーションを施行されたが、その後も頻回に動悸発作が生じ、心電図にてnarrow QRS, long RP’tachycardiaを認めたため、fast-slow AVNRTの再発もしくはATを疑いカテーテルアブレーション目的で当院入院となった。前回のセッションでは、患者が非常に神経質であったため、深い鎮静下でEPSが施行された。鎮静により頻拍が誘発されなかった可能性を考え、当院では術前、術中ともに鎮静剤は使用しなかった。カテ室入室後から期外収縮など特にtriggerもなくincessantにnarrow QRS, long RP’tachycardiaが認められた。またisoproterenolの点滴にて容易に頻拍は誘発された。RV pacingでVA conductionは認めず、頻拍中の心房最早期興奮部位は後中隔近辺で、ATP 6 mg静注にて頻拍は停止した。 ATと判断し、CARTO systemを用いたマッピングにて三尖弁輪後中隔部に最早期興奮部位を認め、同部位への通電により頻拍は停止し、誘発も不能となり、以後頻拍は認めていない。
narrow QRS, long RP’tachycardiaは、fast-slow AVNRT, AT, PJRTなどの鑑別を要し、そのためには頻拍の誘発が重要である。EPS時に頻拍が誘発できない症例を時に経験するが、誘発できなかった場合は鎮静の影響を特に考慮し、覚醒後に再度誘発を試みる必要があると思われる。 |
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