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I
ATP感受性心房頻拍と通常型房室結節回帰性頻拍を合併した洞不全症候群の一症例
〈天理よろづ相談所病院 臨床病理部CE部門 〉
橋本武昌、柴田正慶、木村優友、小出泰志、高橋清香、杉村宗典、吉田秀人
高橋清香、杉村宗典、吉田秀人
〈天理よろづ相談所病院 循環器内科 〉
樋口貴文、吉谷和泰、貝谷和昭、泉 知里、中川義久
His束近傍のATP感受性心房頻拍と通常型房室結節回帰性頻拍(common AVNRT)を合併し
た洞不全症候群においてPacemaker植え込みを回避できた一症例を経験した。
症例は85歳女性、動悸と全身倦怠感を主訴に当院へ来院。失神発作を疑わせるエピソードがあり、入院中に心電図モニターで約190bpmと130bpmの頻脈と最長8.3秒のPauseを認め、徐脈頻脈症候群疑いにてEPSを施行した。
EPSでは、心房または心室刺激により容易に頻拍が誘発されるため、A-H jump現象などの伝導特性の検討は困難であった。心房刺激で、Long RP’ narrow QRS tachycardiaが誘発され、P波はU誘導で陰性、V誘導で二相性であった。心内心電図では最早期興奮部位がHis3-4であり、心室単回刺激による心房のリセット現象は認めず、ATP5mg静注にて頻拍が停止したことから、ATP感受性心房頻拍を疑った。また、心室頻回刺激にて、Short RP’narrow QRS tachycardiaが誘発され、心内心電図での最早期興奮部位はCS proximalでcommon AVNRTが疑われた。
当初、Pacemakerを植え込む方針であったがAblationで根治可能と考え、後日CARTOシステムを使用してAblationを施行した。心房頻拍下における右房のActivation mapでは、His束近傍に最早期興奮を有する心房頻拍であり、最早期興奮部位でのAblation catheterのdistalで、A波に先行したfragment potentialを認めた。
同部位での通電で心房頻拍は停止した。つづいてSlow pathwayを通電し、イソプロテレノール負荷においても、いずれの頻拍も誘発不能となった。
本症例では、洞不全症候群に2種類の頻拍を合併しており、Ablationによる頻拍の根治に成功しPacemakerの植え込みを回避できた。
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