研究会の記録
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III
Superior-mid septumでの通電で根治し得た
通常型房室結節リエントリー性頻拍 (Typical AVNRT)の一例

〈京都桂病院心臓血管センター内科
 
溝渕正寛、円城寺由久、宮本知苗、堀 真規、
 山本龍治、舩津篤史、上林大輔、小林智子、中村 茂


66歳女性。胆石症術前にて当院消化器センター入院中に頻拍発作を認めた。モニター心電図上HR180bpmの narrow QRS regular tachycardiaが確認され、Verapamil投与での頻拍停止が確認されている。頻拍に対する精査加療目的に当科転科となった。2007年12月にEPS施行。ControlでSCL734ms,AH86ms,HV36ms。房室結節は二重伝導特性を有し、洞調律時の心室刺激にてDecremental conductionを伴う室房伝導が確認され、最早期心房興奮部位はHis束であった。頻拍はIsoproterenol(ISP)投与下での心房早期刺激により再現性を持って誘発された。本頻拍の誘発はcritical AH intervalに依存しておりHis電位が心室電位に先行しかつ心房および心室は1:1でほぼ同時に興奮。心房興奮順序は室房伝導と同一のsequenceを呈していた。Accessory pathwayの存在は認められず、頻拍周期(350ms)よりもわずかに短い周期でのRV burst pacingにて頻拍はentrainされpacing 中止によりV-A-V patternをもって頻拍が再開。さらに短いpacing cycleではVA blockで頻拍は停止した。以上の所見よりtypical AVNRTと診断し、Anatomical approachによりslow pathwayを同定し良好な電位指標が得られた部位(A/V ratio=0.25:1)にて焼灼を試みたがJunctional beatsの出現が得られなかった。

そこで徐々にposterior septumからmid septumへと通電ポイントを移動させたがjunctional rhythmが得られず頻拍は再発した。カテーテルをCS入口部へ移動させroofのedge近傍をマッピングしたところ通電なしにjunctional beatが出現した。同部位ではA/V ratioが1.0以上でありHis束カテーテルからは十分に離れており、心房電位はfragmented activityを呈していた。同部位での通電開始直後よりjunctional rhythmが得られ、通電終了後ISP投与下でのプログラム刺激で頻拍は誘発されず根治に成功した。Typical AVNRTにおいて、通常のposterior septumでの通電が無効で、superior mid septumでの通電によりslow pathwayが離断された報告は稀であり報告する。
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