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IV
心房粗動を繰り返した心内膜床欠損症術後・浸潤性胸腺腫の一例
〈京都府立医科大学 循環器内 〉
畔柳 彰、白石裕一、白山武司、松原弘明
症例は62歳、女性。主訴は動悸発作。20年前に心内膜床欠損症で根治術を受けた。その後胸腺腫を発病し呼吸器科で治療中であったが、胸膜・縦隔への浸潤が高度になり始めた2005年夏ごろより、突然始まる動悸発作を生じるようになった。心電図上、“通常型”心房粗動2:1伝導で、まず薬物によるコントロールを希望されたためベラパミル、プロプラノロールを投与して心拍数100程度となり、外来通院していた。
2006年夏には、ふらつきと胸部不快を強く感じるようになり、心電図上1:1伝導が見られるようになった(FF間隔240msec、心拍数毎分250回)。心拍数が速くなると息ぎれが出現、意識レベルが低下することがあった。根治目的にカテーテルアブレーションを実施した。
CARTOによるマッピングでは、心房中隔と三尖弁内側の瘢痕(低電位領域)を認め、両者の間隙と三尖弁周囲を旋回する画像が得られた。Post-pacing interval(PPI)は、2つの瘢痕組織の間で頻拍周期と一致し、瘢痕間の線状焼灼を行ったが、頻拍は停止しなかった。三尖弁―下大静脈間峡部の線状焼灼を行ったが停止せず、下大静脈から冠静脈洞方向へ焼灼線を延長すると、頻拍は停止した。電気的なBlock-lineの形成を確認して終了した。
約1年間頻拍発作がなく経過したが、2007年10月より再び同様の頻拍が出現、FF間隔は270msecと以前より延長していたが、1:1伝導により心拍数が200程度まで上昇するため、DCによる停止を繰り返した。2回目のアブレーションでは、三尖弁輪CSよりに心腔内へ突出した組織(ridge)があり、そこの伝導が再開していたものと考えられた。突出部の内側・外側から通電し、伝導途絶を作成し、粗動は停止した。
三尖弁輪の突出部は、もともとあったものか開心術の際またはその後に生じたものか不明であるが、壁肥厚のある部位は入念な通電を必要とすると考えられた。 |
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